prologo

海外旅行を始めてからずっとアジア。
アジアが好き!という確信のむこうに、まだ見ぬアジアの外の世界への憧れも募る。
これまでの生活のちょっとした区切りに、思い切って地球の裏側に行ってしまおうか。
しかし、 治安に不安が残る地域、初めて踏む土地になかなか心が決まらない。
時期と予算を考えて結局、南米はあきらめることに。
直行便のあるメキシコから入って、南の国境を接するグアテマラへ。
現地の言葉の大切さは旅していてひしひしと感じるもの。
まったく触れたことのないスペイン語に不安もあり、グアテマラで一週間の学生生活を送ることにした。
動物好きなのでコスタリカにも足をのばしたい!(結局、挫折…)
そして、以前から興味のあったキューバへ。
なんとなく道が決まってやっと気分があがってきた。
初めてひとりでバンコクの空港に降り立った4年前の気持ちが蘇る。
期待と不安。

そして、十数時間のフライトののち初めての場所、アメリカ大陸に立っていた。
どこか垢抜けない、どこか胡散臭い、どこか印象の薄い、でもどこか憎めないメキシコ。
空気に含んだリズムや人との距離が、懐かしいアジアを感じさせるグアテマラ。
軽く踏まれるステップに、生きる喜びと哀しみを体臭のようにそれとなく漂わせるキューバ。
根底にあるものは何処へ行こうとおんなじ、初めてのものなんてないはず。
わたしはその土地土地の味付け具合を楽しむだけ。
その違いに戸惑い、驚き、けれどそれこそを楽しみ、
隠されている種を口の中で転がして知っている味を思い出す。
いつの間にか、肩の力も抜けていつものレイジートラベル。

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