今日の午前は、アンコール大回りコース。 て何?
ソムナンさんと合流。 あまり観光客が来ない遺跡をいくつもまわるらしい。
ヒンズー教の影響が強いプリヤカーンに続いて、ニャック・ポアン。
今は干上がってしまっている円形の広場には、昔は水が張られており、人々は沐浴で病気を治そうとしたそうな。
つまり、昔の病院。
カンボジア人の団体が目に付いた。
ソムナンさんいわく、団体のほとんどは教師のたまご達なんだとか。
正月休みなのでみんなで見学しているそうだ。
ソムナンさんは少し前まで教師をしていたそうで、懐かしそうにたまご達を見つめていた。
私が写真を撮り終わるのを待ってるとなりのカンボジア人かタイ人。
カメラを指差すので撮ってほしいのかと思い、OKと答えると、彼たちは連れにそのカメラを渡し、
私の横に立った。
一緒に撮影しよう、ということだったらしい。 肝心の遺跡は私の背中の後ろ。 ・・・勝った。
ソムナンさんに教師時代の話を移動の車内で聞いてみる。
中学校で理科の先生を半年ほどしていたが、給料が安くて辞めて、2年間日本語学校に通い、
現在ガイド暦一年。
2年でそんなに日本語が上達するの?!と驚くと、厳しかった学校生活をぽろり。

東メボンにやってきた。 大きな石を使ったレゴみたいな遺跡。
どうやってこんな大きな石を積み上げたのか聞くと、こんなものを使いました、と
地面に絵を書くやっくん。
それは滑車っていうんだよ、と教えた。 「カッシャ、カッシャ…」
頂上の影で小休憩。 滑車の話になる。
「私の体重50キロで70キロくらい持ち上げられます」とのこと。
「じゃ、私のほうがもっと持ち上げられるわ」
「いや、例えば50キロということで、本当は54キロです」
「それでも私の勝ちだね」

午後は小回りコース。
楽しみにしていたタ・プロム。 「天空の城ラピュタ」のモデルになったとも言われる遺跡。
なにやら隣の広場で正月を祝うパーティーをしているらしく、おじさんのカラオケが大音量で聞こえる。
カンボジアでもカラオケは人気で、ソムナンさんちにもカラオケセットがあるらしい。
びっくりする私に「こっちではカラオケに行くよりも買ってしまった方が安いんです」とのこと。
タ・プロムはそれなりに観光客が多い。 寺院の上は高い木々に覆われていて、薄暗く涼しい。
ガジュマルの木が奇妙な形で遺跡に食い込んでいる。 まるで寺院を守る大蛇のよう。
樹齢は300年ほどのものが多いそうだ。
発見されたときにはすでに木が大きくなってしまっており、木を切ってしまうと木が枯れて石が崩れてしまう。
かといって、このままにしていても木は成長し、いつか遺跡を破壊してしまう。
今しか見れない風景。
遺跡に座って小さな竹細工を売るおじいさん。 その横でなにやら大興奮の白人男性。
手に持っているガイドブック(たぶんロンプラ)の表紙に目の前の爺さんが写っていたのだ。
「Excellent!!」を連発し、そばにいた外野の私にも早口で話しかけてきた。
おじいさんにガイドブックを持たせて写真撮影。 私も横から撮影会に参加。

次に着いたのは、スラ・スランという王様のための巨大な沐浴場。
笛などを売ってくる子どもたち。 うんちがふやけて浮いてるかつての王様のお風呂で水遊びをする子どもたち。
そのうち、まわりにいた女の子たちと日本語や英語を使って話した。ような、話してないような。
いつの間にか、アルプス一万尺。 みかんの花や線路は続くよは、私よりうまい。
じゃんけんでは変な手を出すので、えー何それー!と大げさにリアクションすると大受け。
そういえば、とソムナンさんを見ると向こうで水に入ってる男の子に小石を投げてた。 これこれ。
しばらく遊んだ後、帰ろうと腰を上げると女の子が腕輪を一本プレゼントしてくれた。
20本1ドルの腕輪。
知らない間に持ってた警戒心がのぞく。
これをもらったらほかに何か買わされるんじゃないのかな。
ほんとにいいの?と何度も確かめる私に、大きくうなずくだけの彼女。
ありがとうと言ってバスに乗った。 彼女たちが手を振ってくれてる。
ぐるぐるする頭ん中。
なんですぐにありがとうって言えなかったんだろう。
子供たちから一切ものは買わないって決心は間違い?
ディナーのアプサラダンスも食べたものもあんまり覚えてない。
覚えてるのはステージの屋根の上のサルと、星空と、スラ・スラン。

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